生活保護手続き代行

英国では、要保護世帯の80%が生活保護を受けています。これに対し、日本では、10%〜20%と言われています。これは、国が違法な窓口規制をしているからです。
所得が一定基準以下の人は、働くことができても、生活保護が受けられます。

 生活保護に関する誤解
以下の「誤解」は、生活保護に関する「世間の常識」。しかし、その「世間の常識」は、実は誤解なのです。

?働く人は生活保護を受けられない。
 →きちんと就職活動をしていれば、生活保護を受けることができます。

?経済能力のある扶養義務者がいると生活保護を受けられない。
 →受けられます。要保護者に役所が、「まず扶養義務者に援助してもらいなさ
   い」と助言することは構いませんが、それを理由として保護を拒否することは
   できません。
   役所がどうしても扶養を求めたければ生活保護法77条によって福祉事務
   所が扶養義務者に生活保護を求めることになります。


?家を持っていると生活保護を受けられない。
 →居住用の家なら生活保護を受けられます。但し、住宅ローン返済中だと駄目
   であるとかいろいろ例外はあります。
   なお、農地や近い将来活用を予定している不動産も、持っていてもOKで
   す。


?外国人は生活保護を受けられない。
 →難民認定者・永住者・日本人、永住者の配偶者等の定住者は、生活保護を
   受けることができます。(但し、外国人登録地以外では保護は受けられませ
   ん。)


?住民登録がない人(ex.ホームレス)は、生活保護を受けられない。
 →居住の事実を訪問調査により把握するのは役所の義務です。住民登録がな
   いという理由で保護を利用できないことはありません。ホームレスも生活保
   護を受けることができます。


 福祉事務所の違法な窓口規制
窓口規制そのものが、実は違法です。申請があれば、原則として、必ず受理しなければなりません。その後、調査して「却下」もありえますが、それは別の問題です。
しかし、現実には、「生活保護の適正実施の推進について」(昭和56年11月17日社保第123号厚生省社会局保護課長・監査指導課長通知)以降、相談・申請があっても、高齢者や病気で働けない人以外は追い返す、という違法な窓口規制が行われています。
以下は、相談・申請に訪れた人を追い返す際の理由ベスト7です。

1.扶養義務者に援助してもらいなさい。←嘘!誤解?に記載した通り。

2.65歳までは働けるはず。←嘘!誤解?に記載した通り。

3.持ち家を処分しなさい。←嘘!誤解?に記載した通り。

4.所持金がなくなったら来なさい。←嘘!その世帯の1ヶ月分の生活費の預金があ
                       る時のみ却下できます。1ヶ月分の生活費の
                       2分の1の預金の保有は認定されています

5.借金があると保護は受けられません。←嘘!借金があることは、生活保護とは関
                           係ない問題です。

6.家賃が高すぎるから保護は受けられません。←嘘!家賃は全額援助が原則です
                               が、基準を超えて家賃は援助しま
                               せんよというだけの話である。

7.ホームレスだから保護は受けられません。←嘘!誤解?に記載した通り。


どういう場合に生活保護を受けることができるの?
通達では、以下の4つのみが要件となっています。
?日本人であること。
?申請書から保護申請がされていること。
?保護基準が認定収入を上回ること。
?能力・資産の活用がされていること。

一生懸命働いたり就職活動をしている日本人なら、収入が保護基準より下なら、誰でも生活保護を受けられます。


収入が保護基準よりしたかどうかは、どうして判断するの?
「その世帯の生活保護基準額+医療費・介護費自己負担分」と「認定収入−基礎控除×70%−その他控除」を比較し、前者が後者を上回る場合は、その上回った部分の金額について保護を受けることができます。

これを図式化すると、以下のようになります。厚生労働省のホームページから引用しました。




最低生活費・保護基準額の算定方法―どうやって計算するの?
以下の通り計算します。
それぞれの金額は、通達で金額が決められています。詳細は、福祉事務所に確認して下さい。

(1)個人単位の生活最低額の確定 ―世帯主各自に、年齢に応じ、生活扶助1類を
                        計上。
(2)世帯単位の最低生活費の確定1―居宅の世帯員の員数に応じ、生活扶助2類を
                        計上。
(3)世帯単位の最低生活費の確定2―世帯の特性に応じ、各種の金員を加算。
   ・入院患者加算  ―入院患者がいる。
   ・妊産婦加算   ―妊婦産婦がいる。
   ・母子加算     ―母子家庭である(近日中廃止)。
   ・障害者加算   ―障害者がいる。
   ・在宅患者加算  ―在宅患者がいる。
   ・放射線障害加算―放射線治療を受けている。
   ・児童養育加算  ―小学生以下の子供を養育している場合。児童手当に対応。
   ・介護養育加算  ―介護保険料に対応

(4)共益費を除く家賃実費を住宅扶助として計上(限度額あり)

(5)義務教育を受けている児童がいれば、教育扶助計上(教育扶助基準+給食費)

(6)医療費自己負担・介護費用自己負担が継続していれば、その額を計上。
   詳細は、福祉事務所等にお問い合わせください。ネットでも検索すれば出てきま
   す。


認定収入−基礎控除×70%−その他控除の算定方法―どうやって計算す
  るの?

実際の収入から必要経費を控除するのは当然ですが、以下の理由から、控除が行われます。
・働いている家族は働いていない家族より、外で活動する分、日常の生活費がかか
 る。
・働いている家族が働いていない家族より冷遇されないようにする。
・未成年者がいる家族・新規就労者については、特別な配慮が必要。


福祉事務所が受け付けてくれない場合は、どうするの?
弁護士に頼みます。
弁護士費用が払えない場合、司法支援センターが生活保護手続きの弁護士費用をあなたに代わって支払ってくれます。
当事務所では、債務整理・自己破産手続き等の依頼者、家事事件等の依頼者に限って、アフターサービスの一環として、依頼を受けます。